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くだらなくも愛しい日常を公開。 テニス(山吹)まるマ(ヨザケン)電王(キンウラ)に熱を上げている今日この頃。
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幻水5からダインさんとシグレさんです。
ダインさんを素敵なへタレに仕立て上げようと
川本が奮闘する様をご覧下さい。
カッコイイ彼じゃなきゃ嫌!という方は引き返して下さい。
妄想の一部を切り抜いてますので尻切れです。
前説もありません。
ちょこっと覗いてみたい方は右下のぐるぐるまわる?からどうぞ。

●川本佳以●



人間の愚かな場所

さらさらと流れる髪が綺麗だと思う。

王子様の城は水も緑も人の笑みも綺麗だ。
サギリは最近、少しだけ違う表情を覚えた。
総てを心の中でひっそりと嬉しく思っていたシグレは
先ほど針で突かれて萎んだ心を胸にベッドに横たわっていた。

コンコン。

「シグレ殿、いらっしゃいますか。」

声だけで紳士だと感じさせる彼の声も
シグレは数時間前まで好きだと思っていた。
だが今は剣山のようである。
無言でそれをやり過ごそうと瞼を下ろし貝になる。
僅かに扉が開き、ダインが顔を覗かせた。
自分の存在と眠っている状態に気付き
声と足音を潜め、そっと近づく。

「おやすみ中だったか…。」

残念そうに呟かれ、次は髪を撫ぜられる。
ベッドの横に膝をつき彼が自分の寝顔を見つめているのが分かった。
なんとなく居心地が悪くなったシグレは
狸寝入りが不毛なことに思えて瞼を上げた。
するとセーブルの英雄が焦ったように髪を撫ぜていた手を離し
頬を染めて眉を下げる。

「申し訳ない。起こしてしまいましたか?」
「いんや、最初から起きてた。」
「では何故…。」
「お前と話すのが面倒だったからだ。」
「す、すみません。」

重い腕を上げ、頭をかく。
いつもより気だるさが増したシグレはどうやらご機嫌斜めのようだ。
それとも自分の存在が彼をそうさせたのか。
イヤミっぽくも最後は優しいシグレが
言葉を投げつけたまま黙ってしまったことにダインは戸惑っていた。

「おめーよぉ…。」
「はい、何でしょうか。」
「あー…。」

ガシガシとまたシグレが頭をかく。
何かを美しい、愛しい、とそう思えるようになった心は
裏切りや痛みへの抵抗力が弱くなったようだ。
ダインが好きだ、愛していると真っ直ぐに言うのを
いつも軽く流したり照れ隠しで突っぱねてはいたが
その言葉をシグレは真実と思っていたのだ。

「おめぇ、セーブルの領主の娘といい仲だそうじゃねぇか。」
「……は?」
「聞いたぜ?手料理やらなんやら振舞われたり両親も公認の仲だとか。」
「ち、違いますシグレ殿!私とお嬢様は別にそんな!」
「俺はよぉ、女泣かすヤツと面倒なことが大嫌ぇなんだ。」

こういうとき、シグレの瞳が見えないのは困る。
必死にシグレの腕や肩を掴みこの場に留まらせようとするも
幽世の門出身の彼の身のこなしの素晴らしいことこの上ない。
簡単に袖にされて怒りオーラ全開のシグレの背を
ダインは呆然と見送った。
項垂れてシグレの部屋から出て来ると
彼等の母親的存在、フヨウがにこにこと微笑んでいる。

「…お嬢様とは本当に何もないのです。」
「えぇ、私もダインちゃんを信じてますよ。」

自分に合わせて渋めのお茶を淹れてくれたフヨウと
自分の年の差は確か3つ。
シグレはダインの5つ下だった。
この包容力は女性だから持ちえるものなのだろうか。
否、自分が至らないから彼女のように
シグレからの絶大な信頼を受けられないのだろう。
どんどんと目の前で落ち込んでいく息子の恋人に
フヨウは目を細めそれからわざとらしく溜息を吐いた。

「シグレちゃんは怒ってるんじゃないのよ。」
「……では、何だったのでしょう。」
「誰からかダインちゃんとサリーシャさんのことを聞いてね。
 帰ってきてからずっと部屋に閉じ篭って落ち込んでいたの。」
「そんな、確かにお嬢様にはよくして頂きました。
 しかしシグレ殿が気にする事は…。」
「ダインちゃんはダメねぇ、好意があってもなくても
 ダインちゃんが他の誰かと仲良くしてるとシグレちゃんは
 ヤキモチを妬いちゃうのよ?」
「…シグレ殿が…ですか?」

「シグレちゃんは、ダインちゃんが大好きなんだもの。」

さらさらと流れる髪が綺麗だと思った。
どうして横の髪だけ伸ばしているのか
いつも聞こうと思っているのに
彼が笑いかける度、自分の心は舞い上がり
いつも必死に照れ隠しの言葉を捜してしまう。

「ようやく見つけました!シグレ殿!///」

面倒臭いと言いながらこの想いが愛しい。
心が騒がしくなるのも、言葉を捜すのも
面倒臭いと言いながらこれが幸せだと思うのだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーー
妄想の一部を切り抜き。
いつもはかったるくしてるクセに構って貰えないと
たまに拗ねるダメなシグレさん。
と、鈍感大魔神のへタレダインさん。

っちゅー妄想でした。
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川本佳以―かわもとけい
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千石×室町 跡部 新渡米 

吉田蒼偉―よしだあおい
まるマ担当
ヨザック×村田 有利×ヴォルフ

一心同体で千葉から妄想中。
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